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アスリートがトレーニングで考慮すべき3つのこと

2019年04月08日更新

 

持っている能力を最大限に生かすためには、脳と筋肉を繋げる必要がある

以前、陸上競技のオリンピックメダリストである某選手がインタビューで、「F1マシンとドライバー」の話をしていました。
どんなに性能が良くて速く走れるF1のマシンをもっていても、それに乗るドライバーがペーパードライバーであったなら、うまく車を乗りこなすことができない、といったような内容でした。
これを人の身体で考えた場合、どんなに筋力、スピードに優れた立派な筋肉をもっていても、それをコントロールできる脳がなければ全く意味のないものとなってしまうということです。
実際に、見た目は筋骨隆々で頑丈そうなのに怪我が多かったり、競技になるとパフォーマンスを発揮できない選手がいる一方で、逆に見た目はたいした事はないのに怪我が少なかったり、パフォーマンスが高い選手もいます。
筋量自体は少ないのに、なぜ怪我が少なく高度な技術を発揮できるのでしょう?

この理由の1つとして、脳が筋肉をコントロールする能力が高い、つまり「神経筋コントロール」に長けているということが挙げられます。
ではどのようにして、この神経筋コントロールを鍛えるのでしょうか?
まず大前提として、「自動運動をおこなう」ことです。

例えば、身体のどこかに慢性的な痛みがあったとします。
痛みをとる方法として針やマッサージ、整体など様々な痛みを軽減するアプローチ方法がありますが、どれも他動的なアプローチです。
他動的なアプローチは一時的に痛みを取り去ることはできますが、その痛みの原因にアプローチして修正することはほとんどの場合困難です。
なぜなら慢性的な痛みの原因の多くは機能障害などの「身体の使い方」からくることが多いからです。

痛みを誘発するような身体の使い方をしているのであれば、痛みが起こらないような身体の使い方を”学習する”ことが必要不可欠となります。この学習にはもちろん脳に正しい動きを覚えさせる、つまり脳を鍛える必要があるのです。
自動運動によって正しい身体の使い方、パターンを脳に覚えさせて、それを反復することによって身体をコントロールする方法を学習していくのです。ただし、単純に自動運動が必要と言っても、いわゆる通常の筋力トレーニングだけだと部分的な筋力強化で終わってしまい、その筋力をコントロールすることには繋がらないので注意が必要です。

身体の「正しい位置での運動」というのも脳を鍛える為には欠かせない要素です。脳は身体が置かれている状況やストレスを「認識する」特性がありますので、身体がストレスのかかるポジションで運動を続けていれば、当然脳もそのストレスのかかる動きを学習し、その状態が心地よくなるようにインプットしてしまうのです。
そのポジションは本来身体に負担となる状態ですから、結果的には慢性痛等の痛みや怪我の原因となってしまいます。
身体の正しい位置を確保する為には、負担のない適切な関節の位置、体幹筋群の安定などがあって初めてストレスの少ない、無駄な動きのない動作が可能となります。
その正しいポジションでの動作を繰り返し行う事により、最初は気づかなかった自分のクセに気づき、正しい動きを反復しておこなうことにより脳が良い状態を学習し、やがて無意識の状態でも自然に負担の少ない動作が可能となっていくのです。
 

トレーニングプランにおいて考慮するべき「プログレッション」と「リグレッション」

トレーニングをしていて、「使いたい筋肉がうまく使えない」「理屈はわかっていてもフォームがうまく作れない」ということはありませんか?
パーソナルトレーナーとして指導する立場の方も、「教えているのに伝わらない」「効かせたい部位に効かせられない」という悩みを持つ方も多いはずです。
このようにトレーニングの効果がうまく引き出せない場合、「プログレッション」と「リグレッション」を考慮することは、トレーニングプランを立てる上で非常に役立ちます。

スクワットを例に出してみましょう。
まず、フルスクワットを行うためには股関節と膝が完全に屈曲した状態で転ばずにしゃがめなくてはいけません。
しかし、この”しゃがむ”という動作ができない方がとても多いのです。深くしゃがむ事が出来ないのであれば、重りを背負ってスクワットすることは不可能です。ところが現場では、まともにしゃがめない選手達が何十キロ、時には何百キロという負荷でスクワットをおこなっているのです。
しゃがむための十分な柔軟性がないということは、自分の体重を支えることもできないのに重いバーベルを担いで身体の特定の部分のみ痛めつけているようなものなのです。
こうした場合、一度バーベルなどの負荷をかけることをやめ、自分の体重をしっかりコントロールできるようなトレーニングに変更します。
これが「リグレッション」です。
つまり、トレーニングの負荷や難易度を1つ下げて、使っている筋を意識し、正しいフォームを繰り返すことができる状態にまでトレーニングレベルを変化させることを言います。

同様に、スクワットやランジなどの複合関節種目において、使いたい筋がうまく意識できない場合も「リグレッション」で一度単関節の種目をおこなってしっかりと意識させたい筋を使える状態にします。
トレーニングの現場では、うまくフォームを作れない種目を無理矢理続けさせている光景を目にします。もちろん、アドバイスや身体の使い方を変えるだけで意識できるようになることもあるので一概には言えませんが、一度「リグレッション」して正しい姿勢や筋を使った状態から「プログレッション」、つまり少し難易度を高くするほうが長期的にみた時に怪我のリスクを減らし、求めている結果をだせることが多いのです。
その運動で使われる関節の数を減らすことも「リグレッション」として効果的です。

もし、立位での運動がうまく行えない場合は、膝立ち、もしくは片膝立ちの姿勢となれば、膝関節から下のストレスが減り、運動がおこないやすくなります。膝立ちでもうまく動作が意識出来ない場合、今度は股関節の負担を減らせる四つ這いになります。四つ這いでも意識できなければ、側臥位や仰向け等、重力の影響をうける関節の数を減らしていくと、目的とするトレーニングが行いやすくなるでしょう。
逆に、仰向けなどの負担の少ない姿勢で意図とするエクササイズが出来た場合、今度は四つ這い、膝立ち、立位、片脚立ちなど「プログレッション」を使って目的とする動作での強化をはかります。
以上はほんの一例であり、他にもトレーニングツールを使ったり、重心のコントロールなどを利用すれば様々な形でこの「プログレッション」と「リグレッション」を組み立てることができます。
 

動きをパターンに当てはめることで、トレーニングプランはより明確になる

トレーニング指導やプログラムを組み立てる際に、「その動きやエクササイズは実際の目標を達成するために必要であるか?」を考慮することはとても重要です。
「特異性の原則」というトレーニングの原則があるように、人間は与えられた特異的な環境やストレスに適応するようなシステムが身体に備わっています。逆に言えば、トレーニングが特異性の原則から外れてしまっている場合、目的とする特異的な動作やパターンには適応しません。

[参考ブログ記事]
ストレッチをすれば本当に怪我をしにくくなるのか?

「同側性」と「対側性」という考え方がありますが、日常での動作パターンやスポーツ競技での運動パターンを向上させるためにトレーニングへ落とし込む際、その特異性を理解するのに非常に役立ちます。
「同側性」とは、同じ側の手脚が固定され、逆側の手脚が運動をおこないます。例えば、右手と右脚が固定点となった場合、左手と左脚は動く側になります。動作でいうと身体を「回転」させる動きになります。
例えば、ゴルフのスイングの場合(右利き)、最初に右手と右脚が固定側となり、左手と左脚が動いていきます。(軸を作っている右側に左側が向かっていく動き)
そして、ボールを打った後からフォロースイングまでの動作は、右手と右脚が今度は動きを作り、左手と左脚は固定に働きます(軸を作っている左側に右側が向かっていく動き)。運動側と固定側が逆転する形です。
つまり、ゴルフのスイングは「同側性」となります。
同側パターンは身体の回転の動きを促しますので、トレーニングに置いても同側の手脚を固定、動かすような回旋系のトレーニングを取り入れることが重要になっていきます。

反対に、「対側性」とは、対角線上の手脚が共に動くパターンです。
例えば、右手が運動をおこなう場合、対側の左脚が運動をおこない、左手と右脚が固定する側になります。動作でいうと身体を「前進させる」動きになります。
「対側性」の動作でおこなわれるスポーツは、スピードスケートやランニング動作等が挙げられます。対側の手脚がバランスをとるために「固定」として働き、逆側の対側の手脚が動きを作り「前進」する形になります。
トレーニングにおいてはダイアゴナル(対角)パターンでの運動です。ちなみに、赤ちゃんのハイハイはこの「対側性」パターンにあてはまり、目的は前に進む動作になります。

もちろん、この2つのパターンは一連の動作のなかで切り替わる事もありますので、「同側性」からの「対側性」、またはその逆のパターンもあります。
体勢が崩れたり、痛みがでる動作を探し、それはどちらのパターンで起きるのか?を分析できれば、問題点を抽出するのにとても役立つことでしょう。
逆にコンディショニングという観点からトレーニングを捉えると、同じパターンの動作を繰り返し過ぎると、身体への負担が高まり、オーバーワークの原因にもなってしまいますので、身体のストレスを減らす、普段使えていない筋群を活性させる、という意味では、競技動作で使うパターンとは逆のパターンをトレーニングすることも大切になるでしょう。
このように、向上させたい日常動作や運動動作を規則的なパターンに当てはめることにより、一見難しそうな動きもよりシンプルに、明確に捉えやすくなるのです。
 

まとめ

アスリートは、秒単位、ミリ単位などの非常に繊細な部分で競争しています。そのため、パフォーマンス向上のためのトレーニングで考慮すべきことも繊細かつ多岐に渡ります。
ただやみくもにトレーニングしているだけでは、壁にぶつかることも多いのです。
これらは3つのことは、トレーニングにおける大切な考え方なので、アスリートの方はぜひ参考にしてくださいね。

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この記事の著者
IBMA

監修者

IBMA

[公式HP]http://ibma.asia/

ボディメンテナンスに関する様々な資格の認定事業を行い、確かな知識と技術を持った専門家を育成。
今後はアジア各国を中心とした啓蒙活動も視野に入れ、国際的な格調ある資格団体を目指している。
様々なボディメンテナンスの現場に携わる専門家を育成し、相互研鑽を通じて専門性を高め、世界にセルフメンテナンスの普及を図り、社会貢献していくことを目的としている。

[主な認定資格]
・IBMA認定ヨガインストラクター資格
・IBMA認定ピラティスインストラクター資格
・IBMA認定パーソナルストレッチトレーナー資格
・IBMA認定パーソナルトレーナー資格
・IBMA認定タイ古式マッサージセラピスト資格


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