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「ディパバリの日」とは?多民族国家シンガポールで楽しむインドカルチャー
2019年09月16日更新
この記事のポイント
・ディパバリ(Deepavali)はヒンドゥー教の伝統的な新年のお祝いの日
・多国籍国家であるシンガポールもヒンドゥー教のお祝いをする
・ディパバリは幸福・健康・平和などの神からの贈り物に感謝を表す日
・アートやイルミネーションを楽しむことができる
ディパバリ(Deepavali)の日とは?
今では日本人にも馴染み深い中国の旧正月と同じように、インドにも「ディパバリ」と呼ばれる祭日があります。
10月末から11月初めにインド暦の第七番目の月初めの日に行われる正月と形容されるヒンドゥー教の新年のお祝いです。
ディパバリは別名 「ディーワーリー(光のフェスティバル)」とも呼ばれています。
ディパバリはサンスクリット語で、「ディーパ(deepa)」=光、「アバリ(avali)」=列と訳され、祭りは通常インドでは5日間行われますが、シンガポール(人口5%がヒンドゥー教)では1日(今年は29日)のみの祝日です。
ディパバリの始まり
ディパバリ(光のフェスティバル)には多くの伝説があり、実ははっきりした起源は不明とされています。
由来に関しても、「悪に対する善行(善の象徴である光の神”クリシュナ”が、悪の”ナラカスラ”に勝利したとされます)」、「暗黒に対する光の勝利」、ヒンズー教の神話と伝説を綴った古代インドの叙事詩”ラーマーヤナ”ラーマ王子は魔王ラーヴァナとの戦いに勝利、14年間という期間を経て祖国に戻ってきた際に、人々は街中の家々に灯りをともして王子の帰還を祝った事から祭りが始まったなどと、様々な説が言われています。
どんな由来であっても、この日はそれぞれの家庭が様々な新しい1年を迎え入れるために、新しい服に身を包み、寺院で礼拝を終えた後は、親戚、友人、知り合いと集まり、幸福・健康・平和などの神からの贈り物に感謝を表す日なのです。
シンガポールにもディパバリがある理由とは?
シンガポールの人口は約554万人とされ、そのうちシンガポール人・永住者(永住権保持者)が390万人、外国人が160万人です。
国民の74%は中国系、13%がマレー系、9%がインド系、3%がその他であり、景気や経済状況によって外国人の数に変動はありますが、シンガポールは世界有数の人口密度の高い国です。
シンガポールは世界中から人が集まるので、多民族である事から、仏教、道教、キリスト教、イスラム教、ヒンズー教など様々な宗教が存在します。
多民族でありながら、それぞれの宗教の尊重もされていて、シンガポールならではの祝日が毎年発表され、カレンダーが発行されます。
シンガポールでは9%の人口がインド人、ヒンドゥー教信者が約5%というもあり、このディパバリの日は大きくシンガポール国民に尊重され、リトルインディアの街など、シンガポールの様々な場所で盛大に祝福され、街は賑やかになります。そのため、この日シンガポールは祝日となります。
ディパバリの楽しみ方とは?
ディパバリの日は、数々の行事があります。
・ディヤを飾り付け、色とりどりのイルミネーションで飾る
・ライスアート、コーラムなど、美しいアートを楽しむ
・夜は爆竹や花火をして盛大にお祝い
・祖先の写真の前に好物のごちそうを並べ、祈祷師を呼んで祈りを捧げてもらう
先祖崇拝の一面を持ち、失われた魂が現世に戻ってくる時期なので好物であった食べ物と新しい服をバナナの葉の上にのせてお供えし、お祈りを唱えます。
少し日本のお盆に似ていますね。
シンガポールのディパバリの楽しみ方
① ライトアップ
この時期になると、シンガポールのリトルインディアの街は色とりどりの光のイルミネーションで飾られます。
美しい夜のライトアップは国内だけでなく海外からの観光客にも人気があります。
ライトアップの開催期間は、ディーパバリの日をはさんで約1か月ほど続きます。(2016年のライトアップ期間は9月17日〜11月12日 リトル・インディア街にて)
10月、シンガポールのサンセットは大体18:45辺りから始まり、19:30ごろには暗くなるので、ライトアップは20:00からが見頃とされます。
MRT Little IndiaやFarrer Park駅からすぐのラングーン・ロード(Serangoon Road)でライトアップが見られます。
ライトアップ以外にサリーやパンジャビドレスといった民族衣装や、色とりどりの雑貨が買える屋台もあるので、買い物も楽しむ事が出来ます。
ライトアップのデザインは毎年変わり、花や火、ヒンズー教の神様などがモチーフ(蓮の花や孔雀)になっている事が多く、華やかな装飾は昼も夜も楽しめます。
特に巨大なライトアップの飾りが楽しめる場所は、MRTリトルインディア駅近くのテッカセンター周辺とMRTファラーパーク駅から少し北へ行ったスリ・スリニヴァサ・ペルマル寺院のあたりなので、この時にシンガポールに行かれる場合は足を運んでおきたい所です。
② コーラムアート
「コーラム」と呼ばれるライスアートは各地のショッピングモールやホテルでは、豪華なアートを無料で鑑賞できるので、この時期の風物詩です。
コーラムは米を色々な色に染め色したもので描きます。
もともと古くから南インドのヒンドゥー地域で描かれてきたコーラムの紋様は、祖母、そして娘へと代々継がれていくもので、家系によって異なります。
単なる装飾ではなく、ヒンドゥー信者の「女性」による宗教上のならわしであり、人や動物、ヒンドゥーの女神であるラクシュミ(Lakshmi)を祀るため、また魔除けとして、毎日、日の出前に水で地面を洗ってから、女性たちがコーラムを描きます。
ヒンドゥー信者の女性の花嫁修業のひとつでもあり、家庭の幸せを運ぶ、美しいコーラムを描けるようになることは、一人前の女性の証とされています。男性はコーラムを描けないとされています。
お米粉が用入られる意味として小鳥や虫が食べられるよう、そして雨水で流れたり、風が吹けば舞い、通行者がその地面を踏めば模様は消えてしまいますが、コーラムが消えることは神訪れと受け取り、“縁起がいい”とされています。
まとめ
シンガポールは多民族、多宗教である事から、シンガポール特有のカレンダーが毎年発行されます。
クリスマスがあれば、チャイニーズニューイヤーもあり、ディパバリという、インドの正月といったイベントが1年あるため、年中通して他国では味わえない他国の行事が1つの国で楽しむ事が出来ます。
そこがシンガポールの素敵な国であり、観光としても人気の国である所以です。
ディパバリは、ヒンドゥー教の新年のお祝いにあたる「光のフェスティバル」であり、シンガポールの祝日です。
シンガポールの街、特にリトルインディアの街は、1年で最も華やかになるので、ヒンドゥー教信者でなくても楽しめる要素が沢山経験出来ます。
街のライトアップ、コーラムアートを見て、インドの屋台で食べ歩き、インドの伝統的紅茶「テ・タリ」を飲んでみたり、コーラムアートを描いてみる、ヘナアートなど、肌で感じ、現地の人と触れ合う経験でインドのカルチャー「ディパバリ」に触れてみるのもよいでしょう。
[参考記事]
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監修者
SUN REI
日本のみならず10年間の海外留学でグローバルにヨガを経験する。ラジオやAppのヨガモデルなどヨガに関する様々な経験を経てヨガインストラクター、海外のヨガスクール「It’s Yoga Satellite」Ricardo講師のアシスタントと日本と海外の掛け橋役オーガナイザーとして活動するヨガの専門家。長期に渡る海外在住で培った経験をもとに海外のヨガに関する情報を発信している。
reiyoga.weebly.com
[保有資格]
・アシュタンガ指導者認定証取得 IYCインターナショナルヨガセンター
・100hr RocketYoga 指導者認定書取得「It’s Yoga Satellite」
・200hr RYS ashtanga vinyasa base 「It’s Yoga Satellite」
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・アシュタンガ指導者認定証取得 IYCインターナショナルヨガセンター
・100hr RocketYoga 指導者認定書取得「It’s Yoga Satellite」
・200hr RYS ashtanga vinyasa base 「It’s Yoga Satellite」