2019年09月16日更新

この記事のポイント

・シヴァ神は、今あるすべてを破壊して0に戻す、すなわち再生の象徴とされる
・マハ・シヴァラートゥリは、シヴァ神を祭る日
・マハ・シヴァラートゥリは、私たち自身も1年を見直し、いらない欲やエゴを取り除き、浄化された心と身体で、また新たな自分を始める日

マハ・シヴァラートゥリ（Maha shivaratri）とは？

マハ・シヴァラートゥリとは、年に一度インドやネパールで祝うヒンドゥー教シヴァ神の大きなお祭典です。
シヴァラートリとは「シヴァの夜、または吉兆の夜」とされています。

「マハ」の付かない「シヴァラートゥリ」は年に数回、満月から13日夜/14日目あたりにあり、この日も人々は祈りを捧げますが、「マハ・ シヴァラートゥリ」の日ともなれば、1年でも最も盛大な祭典が行われ、シヴァ寺院では24時間寝ず食べず、シヴァ神のマントラでお祈り、音楽の演奏で踊り、ガンジス川の聖水での沐浴、瞑想、夜通しお祈りの言葉をたくさん唱えます。

なぜ、シヴァ神を祭る？

シヴァ神は、地球が毒によって滅びる時、地球を守るために毒を飲んで”破壊”と”再生”をし、シヴァ神を崇める神聖な日とも言われています。
そのため人々に崇められる神の1人で、年に数回あるシヴァラートゥリの中でも最も暗い夜である2〜3月にシヴァ神が真夜中に姿(Lingodbhav Moorti)を現すとされ、1年でこの月のシヴァラートゥリが大きな祝日になりました。
また、この時期に同時にシヴァ神とパールバーディーの結婚をお祝いするお祭りを行います。

この日は、あらゆる欲をすべて制御して罪を流し、最大の浄化をする日と言われています。

シヴァ神とは？

シヴァ神は、インドの神々の中でも3最高神の一神に位置し、”破壊”と”再生”の神と言われ様々な性格と名前を持っています。

http://vedichealing.com/happy-maha-shivaratri/より引用

中でも有名な名前”nataraja”=踊りの王です。
彼の踊りは宇宙のリズムであり、彼の踊りは世界を滅ぼし、また再生へと導いたとされます。
神々の前で108の踊りを演じ、その踊りのポーズは、南インドにある 有名なシヴァ寺院にレリーフとして、今もあるそうです。

シヴァ神は、様々な名前があるとしても有名な神様です。

それらの名前の一部がこちら

・ナタラージャ(舞踏神)”nata”=踊り
・”raja”=王 
・パシュパティ（獣の神）魔象の生皮を纏って魔族と戦う 
・バイラヴァ（恐怖と殺戮の神）怒りにわれを忘れブラフマーと戦う 
・マハーデーヴァ（全てを統べる偉大な神） 
・シャルベーシャ（羽のある獅子）ヴィシュヌの化身である人獅子と戦う
・ガンガーダラ（ガンジスを受け止める神）
・シャンカラ（幸せを与えてくれる神）
・カーラ（時間の神）

シヴァは大いなる暗黒とも呼ばれ、世界を破壊するときに恐ろしい黒い姿で現れるといいます。
日本ではシヴァの名前を使っていないが「大黒天」と同一視され、七福神の1人として私たちには馴染み深い神とも思えます。
宇宙の破壊の神とイメージされる方も多いですが、病気を治したり、世界の寿命が尽きた時、世界を破壊して、もう一度世界を作り直すために、毒をシヴァが飲み干して、世界を救ったとされます。

片手に毒の器を持っている描などもよく見られます。

シヴァ神が”青く”描かれているのは、毒で青いとされてますが、実際は青ではなく、肌の色が毒により”黒”となってしまった様ですが、インドでは”黒”で描くのは縁起が悪いとされ、黒=青に描かれる事が多いとの事です。

マハ・シヴァラートゥリの過ごし方

夜の間にお寺に行き参拝を済ませます。
特にシバリンガにお祈りをします。(シバリンガプージャ) オームナモシュバイ”OM NAMAH SHIVAYA~”というシバ神へのお祈りの言葉をたくさん唱えます。
1日お祈りを捧げる人もいれば、お祭りによっては踊ったり、音楽を奏でたりとフェスティバルのようにイベントをしてるところもあり、それはまた地域の文化で少し変わってきます。
そこは日本でも同じ様に地域によって少し祝日の過ごし方が異なるのと一緒ですね。

6つのお供え物と意味

・ベールフルーツ（Beal fruit）＝魂の浄化
・辰砂（しんしや）（Vermilion Paste） 
・米やフルーツなどの食べ物＝長命と願い実現 
・線香＝富と繁栄の祈り
・ロウソク （Diyo）＝より知識を得るための導きとなる 
・キンマの葉（Betel Leaves）＝自信なる成長の表し

お寺では、生のハーブの葉入りの「シャルダイ」、ハーブの葉と牛乳、砂糖、アーモンドやカシューナッツなどをシェイクの飲み物や、生のハーブの葉の「パコラ」、ひよこ豆の粉のスパイスを水で溶いた衣をつけて油で揚げるインド風の天ぷらのような食べ物が参拝客に振舞われます。

基本的にはマハ・シヴァラートゥリの日は一日断食をします。
夜の参拝から帰宅して食事をとります。
もちろん食事はベジタリアン食であることと、この日は塩をとらないとされているため、チャパティとヨーグルトなどを食される事が多いです。

マハ・シヴァラートゥリは、女性たちにとって意義深い日

シヴァラートゥリは、女性たちにとっては大きな意味があるとされます。
既婚者は夫や子の健康を願い、未婚者はシヴァ神の配偶者 Kali, Parvati and Durgaを羨み、シヴァ神のような夫と出会える事を願うと言われているのです。
それだけシヴァ神は男性としての魅力があった神なのかもしれませんね。

まとめ

・シヴァ神の象徴、今あるすべてを破壊して0に戻す、すなわち再生
・マハ・シヴァラートゥリは、シヴァ神を祭る日でありながら、私たち自身も1年を見直し、いらない欲やエゴを取り除き、浄化された心と身体で、また新たな自分を始める日

宗教にとらわれず、全人類にとっての吉兆の日として、一年の内でもっとも神聖な夜「マハ・シヴァラートゥリ」に、瞑想してみるのも自分を知るいいきっかけになるかもしれませんね。

［参考記事］
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