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フォームローラー+ストレッチで自己筋膜リリース!関節稼働域を拡げる方法とは?
2019年09月25日更新
<この記事のポイント>
・フォームローラーは自己筋膜リリースに効果的。
・フォームローラーを使って筋膜リリースすることで、可動域の拡大、疲労回復、筋肉痛の軽減などの効果が期待できる。
・今後もさらに需要が増えるフォームローラーの使い方の知識はボディーワーカーに有効な知識。
フォームローラーとは?
フォームローラー(Foam Roller)とは、形はストレッチポールと瓜二つですが、色々な事に活用できる非常に便利なエクササイズツールです。
形がストレッチポールと似ているため、ストレッチポールとしても活用でき、フォームローラー特有のSelf-Myofascial Release(自己筋膜リリース)としても使えます。
フォームローラーとは円筒のような形状で、多くの物がポリエチレンで作られており、色によって硬さが別れています。またブランドによってはプラスチック素材で筒状に型とられており、周りをポリエチレンのような少し柔らかい素材でカバーされた物もあります。
フォームローラーの有名なブランドは、Trigger Point Performance(トリガーポイントパフォーマンス)、OPTP、J/fitなどがあります。Trigger Point Performance(トリガーポイントパフォーマンス)は、プラスチック素材で筒状に型とられており、周りをポリエチレンのような少し柔らかい素材でカバーされた物にあたります。OPTPやJ/fitは高密度のポリエチレン素材で作られており、硬さや色も様々です。
筋膜リリースとは?
筋膜リリースとは、制限のある筋膜組織に圧をかけ、痛みや動作を回復させる療法です。
よって徒手療法に分類されます。
これによりレントゲンやMRIには異常は見られないが、「何故かここが痛い!」なんていう症状も改善出来たりします。
特に異常が見当たらないのに痛みが全く消えない!という場合、徒手療法を行えるカイロプラクター、理学療法士、アスレティックトレーナー、整体師や鍼灸師に相談してはいかがでしょうか。
筋膜リリースのみならず、色々な徒手療法により改善されることは、数多くあります。
自己筋膜リリース(Self-Myofascial Release)とは、フォームローラーやその他の器具を使い、自分自身で筋膜リリースを行うというコンセプトです。
実際のところ自己筋膜リリースは、徒手療法の筋膜リリース(Myofascial Release)と違い、一つの方向へフォームローラーを動かしたりするので、人によっては「これは筋膜リリースではない!」と言われたりもしています。
ただ今のところ、「自己筋膜リリース」と言う名前で定着しています。
フォームローラー(自己筋膜リリース)の効果・効能
・筋肉痛の予防と改善
・関節可動域を増やす可能性(柔軟性のアップ)
・疲労回復の期待
フォームローラーによる自己筋膜リリースは、様々な効果・効能が期待出来ると言われています。
上記の効果の実際に論文を参考にしたい方は以下も参考にしてみましょう。
McDonald1らの研究で、男性20人(3年以上のウェイトトレーニング経験者)を対象とし、フォームローラーによる自己筋膜リリースがトレーニング後の筋肉痛、可動範囲(以下ROM)、膝伸展筋群の等尺性収縮(以下MVC)、垂直跳びにどのような影響を及ぼすか実験しました。
筋肉痛を誘発させるために、10レップ×10セットのバックスクワットをインターバル2分で行い、重さは1回持ち上げられる重量の60%で行いました。
筋肉痛、ROM、MVC、垂直跳びのデータをスクワット直後、24、48、72時間後に測定しました。
結果、筋肉痛は自己点数評価(0〜10の点数)で何もしないグループよりも大きく和らぎ、特に24、48、72時間後に筋肉痛が大きく和らいだという結果が得られました。
ROMは大腿四頭筋とハムストリングスのパッシブROM(受動的ROM)を計り、大腿四頭筋のROMは48、72時間後に若干の違いが生まれ、またハムストリングスのROMは72時間後に若干の差が生まれ、フォームローラーを行ったグループのほうがROMを増やす事ができました。
MVCには全く差がない結果が得られ、垂直跳びはフォームローラーを行ったグループの方が、24、48時間後に増えたが、72時間後には差はなくなりました。McDonaldらは、これらの結果からフォームローラーは回復につながるかもしれないが、まだまだ研究が必要だと結論づけました。
また、McDonaldらによると、その他の似たような研究(マッサージが回復につながるかという研究)で、マッサージが痛みと炎症を減らし、可能性的に血液循環を改善させられるだろうと言った研究がある事を述べ、それによりフォームローラーも似たような効果が得られるだろうと述べています。
Healey2らは、フォームローラーがパフォーマンスにどのような影響を及ぼすか研究しました。
26人の20代の男女を対象とし、フォームローラーかプランクエクササイズを行った後に、垂直跳び、スクワットの等尺性収縮(以下MVC)、アジリティー、疲労感と痛みをチェックしました。結果、フォームローラーとプランクエクササイズ後のパフォーマンスは全く差がありませんでした。
しかしながら予想どおり、フォームローラーを行ったグループの方が、明らかに疲労感に差がでました。プランクエクササイズをこなした方が、エクササイズを連続して行ったので疲労感が上がったと考えられます。しかしフォームローラーを行ったグループのほうが、圧倒的に疲労感が下がっていたため、もしかしたらフォームローラーが疲労感を下げる、マッサージ的な効果があるのかもしれないとHealeyらは述べています。よって研究者らは、フォームローラーはもしかしたら疲労感を改善するのに役立つかもしれないが、パフォーマンスを高める効果はないと結論づけました。
Mohr3らはフォームローラー+スタティックストレッチが股関節屈曲の受動的可動範囲(パッシブROM)にどのような影響を及ぼすか研究しました。
40人の股関節屈曲角度が90°以下の被験者を使い、スタティックストレッチグループ、フォームローラーグループ、フォームローラー+スタティックストレッチグループと何も無しのグループを作りました。最初に受動的に股関節屈曲角度を調べ、その後それぞれグループのトリートメント(スタティックストレッチ、フォームローラー、もしくはフォームローラー+スタティックストレッチ)を行い、最後に受動的に股関節屈曲角度を調べました。結果、何も無しのグループ以外どのグループも可動を増やし、フォームローラー+スタティックストレッチグループはその他のグループ(スタティックストレッチグループ、フォームローラーグループと何も無しのグループ)に比べ、圧倒的に受動的股関節屈曲角度が増えました。
またスタティックストレッチグループとフォームローラーグループの差はありませんでした。
よって研究者らは、フォームローラーのみでも受動的股関節屈曲角度は増えるが、フォームローラーとスタティックストレッチを組み合わせることで、さらに角度を増やせることが出来ると結論づけました。
フォームローラーと筋膜リリースのスキルは今後需要が増える
フォームローラーは、自身で筋膜をリリースすることができ、それにより筋肉痛の軽減、関節可動域を増やすことができると言われています。
アメリカの論文を見る限り、まだまだ研究が必要であり、今後も様々な効果効能が発表されるでしょう。
実際使ってみると、最初は痛いかもしれませんが、終わった後に驚くほどスッキリする事もよくあります。
使う際には、必ず指導者の意見を聞き、正しい使い方をして下さい。
パーソナルトレーナーやストレッチトレーナーなどのボディーワーカーは、今後さらに認知も高まる筋膜リリースの方法として、フォームローラーの使い方をマスターすることはおすすめです。
[フォームローラーのワークショップはこちら]
ストレッチポールを活用した自己筋筋膜リリース講座
[参考文献]
1. McDonald, G., Button, D., Drinkwater, E., George Behm, D. Foam rolling as a recovery tool after an intense bout of physical activity. Med Sci Sports Exerc. 2014; 46(1): 131-142. DOI: 10.1249/MSS.0b013e3182a123db.
2. Healey, K., Hatfield, D., Blanpied, P., Dorfman, L., Riebe, D. The effects of myofascial release with rolling on performance. J Strength Cond Res. 2013; 28(1), 61-68.
3. Mohr, A., Long, B., Goad, C. Effect of foam rolling and static stretching on passive hip-flexion range of motion. J Sport Rehabil. 2014; 23: 296-299. DOI: 10.1123/jsr.2013-0025.
監修者
根城祐介
[経歴]
米国ノースダコタ州立大学大学院在学中、アシスタントアスレティックトレーナー兼ストレングス&コンディショニングコーチとして活動し、大学院卒業を期に帰国。学生アスリートのみならず、Canadian Football League(CFL)やNational Hockey League(NHL)のプレーヤーの指導経験を生かし、多くの現役プロアスリートのパーソナルトレーニングを担当。資格スクール講師やワークショップで多数のパーソナルトレーナーを輩出しているトレーニングの専門家。
・ミネソタ州立大学モアヘッド卒業
・ノースダコタ州立大学大学院修了
・IBMA(国際ボディメンテナンス協会)顧問
・USHL Fargo Force アイスホッケー、グラジュエイト・アシスタント・アスレティックトレーナー兼ストレングス&コンディショニングコーチ(2012-2014)
[保有資格]
・IBMA認定パーソナルストレッチマスターインストラクター
・加圧国際大学認定 加圧トレーニングインストラクター
・学士(アスレティックトレーニング・エクササイズサイエンス)
・修士(アスレティックトレーニング)
・全米公認アスレティックトレーナー(ATC)
・全米公認ストレングス&コンディショニングスペシャリスト(NSCA-CSCS)
・グラストンテクニックプロバイダー(Graston Technique Provider)
・セレクティブファンクショナルムーブメントアセスメント(SFMA)
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根城祐介
[経歴]
米国ノースダコタ州立大学大学院在学中、アシスタントアスレティックトレーナー兼ストレングス&コンディショニングコーチとして活動し、大学院卒業を期に帰国。学生アスリートのみならず、Canadian Football League(CFL)やNational Hockey League(NHL)のプレーヤーの指導経験を生かし、多くの現役プロアスリートのパーソナルトレーニングを担当。資格スクール講師やワークショップで多数のパーソナルトレーナーを輩出しているトレーニングの専門家。
・ミネソタ州立大学モアヘッド卒業
・ノースダコタ州立大学大学院修了
・IBMA(国際ボディメンテナンス協会)顧問
・USHL Fargo Force アイスホッケー、グラジュエイト・アシスタント・アスレティックトレーナー兼ストレングス&コンディショニングコーチ(2012-2014)
[保有資格]
・IBMA認定パーソナルストレッチマスターインストラクター
・加圧国際大学認定 加圧トレーニングインストラクター
・学士(アスレティックトレーニング・エクササイズサイエンス)
・修士(アスレティックトレーニング)
・全米公認アスレティックトレーナー(ATC)
・全米公認ストレングス&コンディショニングスペシャリスト(NSCA-CSCS)
・グラストンテクニックプロバイダー(Graston Technique Provider)
・セレクティブファンクショナルムーブメントアセスメント(SFMA)