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座位の開脚前屈(ウパヴィシュタ・コーナアーサナ)をの効果とやり方。できない場合の練習方法とは?
2019年06月07日更新
この記事のポイント
・開脚前屈(ウパヴィシュタ・コーナアーサナ)は、股関節や足、背中の柔軟性アップ、生理痛改善などの効果がある。
・できない場合は、クッションやブロックを使って段階的に進めるのがコツ。
・ポーズの前後に準備ポーズで身体をほぐしておくと、開脚がしやすく、怪我防止にも繋がる。
目次
座位の開脚前屈(ウパヴィシュタ・コーナアーサナ)の効果・効能
・股関節やハムストリングの柔軟性アップ
・背中の強化と柔軟性アップ
・骨盤周辺をほぐし、血行促進と生理痛の改善
・腹部を刺激し、消化を促進する
・リラックス効果
座位の開脚前屈(ウパヴィシュタ・コーナアーサナ)のやり方
① 杖のポーズ(ダンダーサナ)の状態から、両足を90度〜120度程度に開く。
この時の足の幅は、股関節に痛みのない範囲にしておきましょう。
② 坐骨でマットを押して骨盤を立てます。
③ かかとを前に押し出し、足裏をしっかりと伸ばします。
膝に痛みがある場合は、膝の下やお尻の下にブランケットを敷いても構いません。
④ 骨盤から倒していくようなイメージで、上半身を前に伸ばして行きます。
この時腰が曲がると、背骨に負担がかかるため、背中は一直線を保ったまま、いたが前に倒れるように動きましょう。
⑤ 前傾する際に足も一緒に内転しないようにかかとはマットを押したまま、膝とつま先を天井方向に向けておきます。
骨盤〜上半身の動きに意識を向け、無理のないところを見つけたら、そこで数呼吸ホールドします。
できない場合の軽減方法
このポーズは、ハムストリングが坐骨に接しているため、ハムストリングが硬いと背骨を長く伸ばすことは難しくなります。
ハムストリングの伸張がしにくいと、骨盤の裏側が引き下げられて、いわゆる骨盤後傾になります。
これは骨盤を押し込んで腰が丸くなると起こる現象です。
腰を丸くしたまま前屈すると、椎間板が圧迫されて故障のリスクを高めます。
このような場合はブランケットの上に座り、腰の位置を高くすることで解決できます。
硬いハムストリングが引き伸ばされ、背骨を長くする余地が得られるからです。
ヨガではどんなポーズでも背骨を長く伸ばすことが重要ですが、これは特に”前屈”の時に留意すべき重要事項です。
”もっと先へ””もっと深く”進んでいくと内側に倒れる傾向があるからです。
<ブランケットを使った場合>
まず折りたたんだブランケットの一端が、両足の間で前を向くように腰を乗せます。
ブランケットには臀部だけを乗せて、両足は乗せないように、そして腰から頭頂部まで背骨を長くします。
ここで一度、仙骨に手を当ててみましょう。
仙骨に当てた手が垂直になっているか、後ろに傾いて腰が丸くなっていないか確認します。
坐骨の後ろ側に体重がかかって腰が丸まっていたら、太腿が脚の付け根から前に回っているか、後ろに回っているのか見てみましょう。
もし後ろに回っていたら、太腿を片方ずつ前に回して膝を天井方向へ向けます。
すると、骨盤の傾きが垂直になり、均等に坐骨の上に座れるようになったのを感じるはずです。
ここまで出来たら、胸骨をへそから離すように伸ばして、身体の前面を長く保ちます。
上体を引き上げるためには、脚を活性化させ両手の指先を床の上に置いて両腕で支えます。
このままの状態で数呼吸キープしましょう。
<ボルスターを使った場合>
次に慣れてきたら、ボルスターを目の前の床、上半身の延長線上に置きます。
太ももは強く下に押し当てて安定させ動かないように保ちます。
吐く息とともに、前屈しながら骨盤を前に倒していきましょう。
息を吸って背骨を伸ばし、吐きながら大腿骨を固定して恥骨を床の方向へ押していき、両手を前方へ歩かせて胴体をボルスターに近づけます。
ウエストから折り曲げるのではなく、身体を伸ばし、胸を反らしたり背中を丸めたりせずに体の前側を長く保ちます。
坐骨が床についたままで膝が天井へ向けられるようだったら、胴体をボルスターに預けてみましょう。
このまま10呼吸ステイして、ハムストリングと内転筋がどのように反応するか観察してみましょう。
その感覚が鋭く突き刺すようなものではなく、鈍い痛みの範疇であるかどうか確かめてみること。
体が心地よく、床へ降りていくようなら、ボルスターを外します。
脚の筋肉を再度働かせて強く保ち、ポーズを安定させたら左右の人差し指と中指で足の親指を掴み完成ポーズです。
このアライメントを保ちながら、顎を床につけることができるかもしれません。
ここでの最終目的は、動作の効果を観察しながら練習することであって、ポーズの完成形を追求することではないということを忘れずに。
このポーズで10~15呼吸ステイします。
重力にしたがって体を緩め、自分の内側に耳を傾ければ、前屈によって身を委ねる感覚や静寂の感覚がもたらされることに気づきます。
ポーズへの身体的なアプローチを通じて、こうした精神的な質を深めていきましょう。
座位の開脚前屈(ウパヴィシュタ・コーナアーサナ)の準備ポーズ
足全体の柔軟性が必要なこのポーズの前に、身体をほぐしておくと成功しやすく、さらに怪我の予防にもなります。
[横たわった親指をつかむポーズ(スプタパタングシュターサナ)]
このポーズは腰部に負担をかけずにハムストリングを開くため、開脚前屈には優れた準備ポーズとなります。
[杖のポーズ(ダンダーサナ)]
このポーズを練習することでハムストリングが伸び、上体を垂直に保って体の全面を伸ばす背骨の筋肉が鍛えられます。どちらの要素も開脚前屈を容易にさせる準備になります。
[両膝を胸に近づけるポーズ(アパーナーサナ)]
開脚前屈によって外へ開いた後に、内側に引き入れるのにちょうど良いポーズです。
開脚前屈(ウパヴィシュタ・コーナアーサナ)は時間をかけて効果を味わおう。
開脚前屈(ウパヴィシュタ・コーナアーサナ)は、柔軟性が必要であり、成功するには時間がかかるポーズの一つでしょう。
しかし、準備ポーズや軽減法を日頃から行い、徐々に柔軟性を身に付けることが、完成形に近くコツです。
B・K・Sアイアンガー著「ハタヨガの真髄」によると、座位の開脚前屈(ウパヴィシュタ・コーナアーサナ)は、「骨盤周辺の血行を促進し、骨盤を正常に保つ。坐骨神経神経痛を取り除き、月経を正常化し、規則的に行うと同時に卵巣に刺激を与えるので女性にとっては大変効果的である。」と書かれています。
コツを習得するには時間がかかるかもしれませんが、定期的な練習を通じてたくさんの効果を得ることができるでしょう。
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監修者
naoco
複数のヨガスタジオ・スクール等の立ち上げに参画し、フリーランスヨガインストラクターとして独立。
ヨガ資格者養成講師として全国各地にヨガインストラクターを多数輩出しているヨガの専門家。
自身のヨガスタジオ「ナディーンヨガ」を主宰している。
[保有資格]
・IBMA(国際ボディメンテナンス協会)認定ヨガマスターインストラクター
・IBMA(国際ボディメンテナンス協会)認定ピラティスマスターインストラクター
・骨盤調整ヨガTT修了
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複数のヨガスタジオ・スクール等の立ち上げに参画し、フリーランスヨガインストラクターとして独立。
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自身のヨガスタジオ「ナディーンヨガ」を主宰している。
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・IBMA(国際ボディメンテナンス協会)認定ヨガマスターインストラクター
・IBMA(国際ボディメンテナンス協会)認定ピラティスマスターインストラクター
・骨盤調整ヨガTT修了