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なぜ、パーソナルトレーナーはスクワット指導でつま先と膝の向きを合わせたがるのか?

なぜ、パーソナルトレーナーはスクワット指導でつま先と膝の向きを合わせたがるのか?
 
人間の基本動作は、ほぼ片手・片脚!?

スクワットやベンチプレスなど、王道のトレーニングでは両手、両足を同時に動かす動作が殆どです。
こうした複合運動はトレーニングの基礎ともいえる動きですが、日常生活やスポーツ動作に応用する場合、それ以外にもバリエーションが必要になってきます。
なぜならば、日常生活やスポーツ動作の基本となる「歩く」「走る」「投げる」や「物をつかむ」などの動きは、ほぼ片手、片脚で行われます。
この動きをトレーニングにあてはめるのであれば、やはりトレーニングも片手や片脚で行う必要があるのです。

 
健康の為のマラソンで怪我をしたら本末転倒ですよ!

近年、マラソン人口が増えていますが、この「走る」には、怪我のリスクが潜んでいます。
走るという動作は常に片脚になりますが、歩行とは違い、体重の倍以上の大きな衝撃がかかります。ランニングを日課にしている方の場合、体重以上の衝撃を何分も繰り返し、それを週に何度も繰り返していることになるのです。

街で走っている方でも、内股で走っていたり、腰を左右どちらかに曲げて走っている方など、明らかに身体の特定部位にストレスがかかっている方を見かけます。 
健康維持を目的で始めたランニングなのに、実は身体を壊す原因になっているのです。

このように片脚で自分の体重が支えられる、コントロール出来る、という能力は必要不可欠です。
例えば、片脚立ちになってもらい、1分程度その状態をキープしてもらいます。
これで骨盤が下がって来たり、ふらつくようだと走るのに充分な身体のコーディネーションができていないという1つの判断材料になります。
これが問題なくクリアできたら、次は片脚立ちの状態で目を閉じてもらいます。
これでバランスを崩してしまうようだと、関節の位置等を知覚するセンサー(固有受動器システム)が充分働いていないと判断でき、ランニングに必要な身体の機能が充分に整っていないという判断材料になります。

あくまで簡易的なテストですが、運動においての怪我のリスクを減らす為には、やるべきテスト方法です。

 
トレーニングは多面的に行うと効果的!

下半身のトレーニングを片脚で行う際、両脚のトレーニングとの大きな違いは多面的になることです。
例えば、スクワット(両脚)を行う場合、主に鍛えられる筋肉の動作は、「矢状面(屈曲—伸展)」になります。
身体の安定性、筋力等を向上させるには重要ですが、左右のバランスをキープするなど「前額面(内転-外転)」方向に効果的なトレーニングではないのです。

スポーツや日常動作で起こる片脚での筋バランスや動作向上を考えた場合は、やはり片脚でのトレーニングが必要になってきます。
例えば片脚で身体を支持する場合、中臀筋という臀部の横に付着する筋肉の安定性が必要になりますが、スクワット等の両脚動作では、この中臀筋はあまり働きません。
片脚でのトレーニングで身体を正しいポジションにキープする事により、中臀筋を正しく鍛える事ができます。

 
なぜ、スクワットではつま先と膝の向きを合わせるのか?

ここからは、脚のトレーニングをする時のポイントを解説します。
まず脚のトレーニングのポイントは、「つま先と膝の向き」です。これは両脚、片脚ともに重要です。
膝やつま先が同方向に向いてないと、足首や膝にストレスがかかり、その蓄積による怪我のリスクも高まります。
スクワットやランジなど脚のトレーニングでは、まずつま先と膝の向きを合わせることが必須です。

膝関節には、大腿骨(大腿部)と脛骨(下腿部)とを繋ぐ靭帯である、前十字靭帯と後十字靭帯が付着しています。この2つの靭帯はお互いクロスするように付着していますが、膝がつま先よりも内側に入ってしまう状態だと、このクロスしている2つの靭帯が紐がほどけるように緩んでしまい、靭帯に負担がかかりやすいポジションになるのです。

アスリートによくある前十字靭帯の損傷は、多くの場合、膝がつま先に比べて内側に入ってしまい、捻れのストレスが加わって靭帯が伸びたり切れたりするメカニズムによるものです。(ほとんどが地面に足部を接地した直後、0.4秒前後で起こる瞬間的なストレスといわれています)
これを予防する場合、膝と足の第2中足骨の向きを合わせることで、膝への捻れの負担を減らすことができます。
なぜなら、動作のなかで足部(足の裏)が動く際、第1中足骨や第3〜第5中足骨は地面の形などに合わせる為、比較的自由に動ける構造になっています。それに比べて第2中足骨は足部の構造上、様々な動きに対してもあまり角度が変わることなく安定しやすい位置にあります。そのため膝や股関節の屈曲・伸展などが関わる動作においては膝の向きを第2中足骨に合わせることによって、捻れが少なく安定したフォームになりやすいのです。

 
トレーニングで正しい動きを脳と身体にインプットします

もちろん、最初からランニングやスポーツ動作においてこの2つの向きを合わせるというのはとても難しい事なので、まずはスクワットやランジなどのトレーニング動作で学習していくことが大切です。
スクワットなど比較的身体の移動が少ないトレーニングで膝と足部の位置が合わせられるようになったら、次はランジやウォーキングランジなど移動が大きく2つの向きを合わせづらいトレーニングに移行すると良いでしょう。

こうした動きをトレーニング中に学習することによって、歩行や階段の上り下りなどの日常動作においての膝のストレスを軽減することができるようになります。(ただし、トレーニングの考え方によっては故意につま先と膝を捻らせてトレーニングをするという考え方もあります。これはわざと脳に悪い状態をインプットさせ、動作中に膝が捻れた時に対しても耐性ができるようにする為です。)
もちろん一番重要なことは膝にストレスをかけないことなので、最初は正しい位置で学習させてから行います。
どちらも間違いではありませんが、膝にかかるリスクなど、身体のメカニズムを理解して運動をすることが大切です。
これが筋の再教育です。

 
下半身のトレーニングなのに上半身が重要?

「重心の位置」も下半身のトレーニングにおける大切なポイントです。
パーソナルトレーナーがスクワットなどのトレーニング指導の際、「膝がつま先より前に出ないように」といったアドバイスを耳にします。
なぜ、膝がつま先より前に出ると良くないのでしょうか?
これは膝への負担を減らす為のアドバイスなのですが、下半身の動作においては「上半身の位置」が関係しているからです。

例えば、立位で身体を前に傾けた時、体重は自然と前方、つま先重心になります。
身体が前方に傾くと重力の関係もあり、そのまま前方に身体が倒れないようにと、身体の後面の筋群(臀筋・ハムストリング、腓腹筋など)が緊張しやすくなります。つまり身体の後面の筋群のスイッチがより入りやすくなる状態です。

逆に、身体を後方に傾けた場合は、踵に重心になります。
踵に重心が乗ると、これ以上後方に身体が倒れないようにと、身体の前面の筋群(大腿四頭筋など)にスイッチが入りやすくなるのです。

男性や高齢者の方々に多い傾向として、骨盤の後傾があります。
踵に体重がかかることによって主に下半身の前面の筋群によりストレスがかかるので、大腿直筋など膝まわりの筋群に負担がかかり、膝周りの違和感や痛みなどの症状が現れやすくなります。
逆に、つま先に体重がかかるような前傾姿勢は、後方の筋群が発火しやすくなるので、大臀筋など比較的大きな筋群を使いやすくなるのです。

 
スクワットのコツをボディメイクにも応用しよう!

こうした重心の考え方はトレーニングにも生かす事ができます。
例えば、膝の手術などを行った後や、膝周りの不安定性が強い方には、この下半身の前面の張力を高めたスクワットが適しているかもしれません。
反対に、つま先に重心を乗せるように意識をした場合、身体の後面の筋群の張力が高まり、臀部やハムストリングスが使われやすくなります。

例えば、ボディメイキングで膝周りの筋を太くしたくない、ヒップアップを目指したい場合などはつま先重心にして上半身の重心を前方に傾けるような方法が良いでしょう。
ただし、後面の筋、前面の筋と簡単に分類をしましたが、そのなかでも特にどの筋を中心に使っているかはその方の普段の姿勢などによっても変わってきます。(上半身のポジション、骨盤の傾き、足の重心の3点がどの状態にあるかで鍛えられる部位は異なります。)
例えば、骨盤の前傾が強い方の場合、いくらつま先に重心を置いて臀部を意識しようとスクワットをしても、骨盤前傾による下背部のストレスが強すぎるため、臀部ではなく腰部を主に使ったスクワットになってしまうのです。
これではヒップアップをするつもりが腰部を主に使ったスクワットになってしまい、腰痛の原因にもなりかねません。
こうした場合は、骨盤を“ニュートラル”にすることもターゲットとなる筋肉に効かせるためには重要なのです。

 
あなたのスクワットは膝から?それとも股関節から?

また、主に女性に多く見られるパターンとして、膝の過伸展(膝を伸ばして使う癖)があるような方は、主に二関節筋であるハムストリングを中心に使ってしまい、先程のパターンと同じく臀部を上手く使うことができません。こういった方には重心に加えて 「膝を曲げる」ということもトレーニング動作のなかで意識させなくてはならないのです。

例えば、スクワットの評価を矢状面で行う場合、股関節か膝関節、どちらの関節の運動が大きいかを見分けることによって、どの筋群のストレスが強いかを判断する事ができます。
スクワット動作を評価する際、その方が股関節よりも膝から先に曲がる(膝の屈曲)動作が見られるのであれば、その方は「膝屈曲タイプ」と判断することができ、基本的には膝周りの筋群である大腿四頭筋を使う傾向が強くでるタイプといえるでしょう。

逆に、膝関節よりも先に股関節の屈曲が強くでるタイプの方であれば、身体の後面の筋群(腰部、大臀筋、ハムストリング)を使いやすい「股関節屈曲タイプ」だと言えます。
「膝がつま先より前にでないように」と指導を受けている方のスクワットは膝の動きを意識しすぎてこの「股関節屈曲タイプ」になりやすくなります。

骨盤の前・後傾のバランスが悪いと、自分ではお尻を使ってスクワットをしているつもりが、いつの間にか腰(下背部)ばかり使ったスクワット動作になってしまうのです。
誤ったフォームを防ぐためには、まず特定の部位だけにストレスを与えないスクワット動作を理解する必要があります。

矢状面の場合、脛骨(下腿)と脊柱のラインが平行であることがとても重要です。
例えば、脛骨のラインに比べて、脊柱のラインが前に倒れている場合、このスクワットは「股関節屈曲タイプ」のスクワットだと判断することができます。
反対に脊柱のラインに対して脛骨のラインが前に倒れてしまっている場合、これは「膝屈曲タイプ」のスクワットだと判断することができます。

矢状面ではこの2つのラインが平行になって始めて「筋バランスの良い」スクワットと評価できるのです。
運動面をわけ、チェックポイントを明確にして評価すると、スクワットの指導も進めやすくなるのではないでしょうか。

 
まとめ

・日常生活やスポーツ動作の殆どは片手・片脚で行われ、大きな負担がかかるので、怪我のリスクが伴う
・トレーニングは矢状面・前額面など多面的に考えると効果的
・怪我の予防の為にも、脚のトレーニングは、必ずつま先と膝の向きを合わせる
・トレーニングで正しい動きを脳と身体にインプットさせる筋の再教育ができる
・重心ポジションや動く関節の大きさによってスクワットで使う筋肉は異なる


[ストレッチの上位資格「パーソナルトレーナー」を目指す方は]
IBMA認定パーソナルトレーナー資格取得コース

[参考記事]
スイッチをオン・オフ!呼吸筋トレーニングで体幹インナーマッスルを整える!
ヒップアップのトレーニングには、何が効果的?
キング・オブ・トレーニング!「デッドリフト」と「スクワット」の違いとは?
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この記事の著者
IBMA(国際ボディメンテナンス協会)

監修者

IBMA(国際ボディメンテナンス協会)

[公式HP]http://ibma.asia/

ボディメンテナンスに関する様々な資格の認定事業を行い、確かな知識と技術を持った専門家を育成。
今後はアジア各国を中心とした啓蒙活動も視野に入れ、国際的な格調ある資格団体を目指している。
様々なボディメンテナンスの現場に携わる専門家を育成し、相互研鑽を通じて専門性を高め、世界にセルフメンテナンスの普及を図り、社会貢献していくことを目的としている。

[主な認定資格]
・IBMA認定ヨガインストラクター資格
・IBMA認定ピラティスインストラクター資格
・IBMA認定パーソナルストレッチトレーナー資格
・IBMA認定タイ古式マッサージセラピスト資格

この記事の著者
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今後はアジア各国を中心とした啓蒙活動も視野に入れ、国際的な格調ある資格団体を目指している。
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