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ヨガの浄化法(クリヤー)とは?トリドーシャを整えるシャットクリヤーのやり方と効果

ヨガの浄化法の鼻うがいをする女性

2019年07月08日更新

この記事のポイント

・クリヤーとはヨガの浄化法と呼ばれる技法
・アーユルヴェーダの考え方であるトリドーシャのバランスをよくする効果が期待できる
・クリヤーのやり方や種類は複数あり、専門家の指導の必要なものもあるため、まずは1人でできる簡単なものから取り入れるのがおすすめ

クリヤーとは?

クリヤー(クリヤ)とは、ヨガの「浄化法」と呼ばれる技法です。

ヨガ哲学やアーユルヴェーダでは、人間の体質はトリドーシャと呼ばれる3つに分類され、それが体内でバランスをとっていると考えられています。
3つのトリドーシャ(ヴァータ・ピッタ・カパ)のバランスが取れた状態が健康で望ましいとされ、バランスが崩れて何かが優勢になった状態では身体に不調が出ると言われています。
クリヤー(浄化法)は、このトリドーシャのバランスの回復と安定化に効果があるとされ、古代より実践されてきました。

6つのシャットクリヤーとは

① カパラバティ(Kapalbhati)
② ネティ(Neti)
③ ナウリ(Nauli)
④ バスティ(Basti)
⑤ トラタック/トラタカ(Trataka)
⑥ ダウティ(Dhauti)

中でも6つのクリヤーが基本とされ、シャットクリヤー(サンスクリット語で Shatkriyas、Shatkarmas)と呼ばれます。
「シャット」はサンスクリット語で「6」を意味します。

呼吸器系統の下部・消化管・胃・目、そして結腸の下部などを浄化するもので、多くのヨガプラクティショナーが行なっています。
今日から誰でも始められる浄化法から、安全に行うために経験者の指導のもとで実践することが望ましい浄化法まであります。また、クリヤーの種類によっては、心臓病・高血圧症・腸結核・慢性結膜炎・盲腸炎・偏頭痛・月経中・妊娠中の方は出来ません。
下記に紹介する6つの浄化方法は、ヨガ特有の浄化方法であり、すべての方に当てはまるものではないため、必ず専門家に相談し、専門家の監視、指導の元行いましょう。

① カパラバティ(肺や鼻孔、前頭部分の浄化法)

カパラバティのKAPALは「頭蓋」「前頭」、BHATIは「光」「輝き」や「知覚」 「知識」という意味です。
直訳すると「光る頭蓋骨」という浄化法です。
カパラバティは、腹筋を意識し素早く肺の呼吸を吐き出す呼吸法です。

やり方

まず安楽座で座り、自然な呼吸を取り込んだら鼻から勢いよく息を吐き切り、お腹を引き締めます(この時お腹は凹んだ状態)。
吸う呼吸は自然に任せてお腹に呼吸を入れ、また鼻から勢いよく吐き切ります。
テンポよく複数回くり返しましょう。

効果

・リフレッシュ効果
・眠気を覚ます
・脳の活性化
・気管系の活性化による喘息の改善など

② ネティ(鼻孔内の通路の浄化)

ネティとは「鼻うがい」とも呼ばれ、一般的には鼻に食塩水(生理水)を通して鼻腔を洗う方法である「ジャラネティ」と
糸や細いゴムを鼻に通す「スートラネティ」があります。
その他にも、ミルク(Dugdha) やギー (Ghrita)を使った方法も存在します。
ここでは自宅でも出来る2種類のネティを紹介します。

ジャラネティのやり方

ぬるま湯の塩水を片方の鼻に入れて片方から流す、いわゆる鼻うがいです。
特別な訓練などなく、市販の鼻うがい用の商品を使えば今日から誰でも行う事ができます。

<市販以外で自宅にあるもので行う場合>

❶ 0.9%の食塩水をお湯で溶かします。
❷ 人肌の温度、ぬるま湯に準備します。
❸ 鼻の穴に差しこめるサイズの容器ノズルのついたボトル、もしくはネティポットに入れます。
❹ 前かがみの状態で顔を横に傾けて、容器を押しながら食塩水を片方から鼻に流し込みます。
❺ 顔の筋肉を完全にリラックスし「あー」と声を出すと流し込みやすいです。
❻ 流し込んだ食塩水は逆の鼻から自然に任せて出して行きます。

効果

・鼻の不快感の解消
・風邪やインフルエンザなどのウイルス対策
・花粉症やホコリなどのアレルギー対策
・ちくのう症の予防や症状の緩和

スートラ(Sutra)

スートラネティは、ゴム製のチューブを鼻から通して口から出し、鼻と喉をマッサージをします。
ジャラネティと同じく、鼻腔内の洗浄効果がありますが、ゴムチューブでマッサージするスートラネティは、食塩水での洗浄より効果が高いとされています。
初心者でも可能ですが、難しいテクニックなので、必ず専門家の指導の元で行ないましょう
ネティ浄化法のポイントは、”リラックス”
あーっと声を出すと顔の緊張をほぐすことができ、やりやすくなります。

③ ナウリ(腹部の運動による浄化)

「3つのバンダ」をアクティブに使い胃腸を活発に動かすことで内臓のクレンジング効果を得られる浄化法です。
筋肉の動きをコントロールできる事によって、肉体と魂に繋がりができ、心身共に安定した健康を生み出してくれると考えられています。

やり方

ウディヤナバンダとムーラバンダを交互に使ってお腹を動かします。(グルグル回す)
タダーサナ(直立の状態)でも構いませんし、安楽座の状態でも構いません。
慣れるまでは違和感を感じ、できているのか実感がわかないことが多い手法です。
バンダのやり方を習得し、うまくできるようになれば、そのエネルギーのコントロールを感じられるようになるでしょう。

<注意>
食後や胃腸に不安のある方は控えましょう。

効果

・胃腸の活性化
・腸内の浄化
・筋力アップ
・アンチエイジング

ナウリクリアは、同時にマニプラ・チャクラ(MANIPURA CHAKRA)にも深く関わりがあります。
そのため、健康であるときは、このチャクラのエネルギーが満ち、不十分であるときには、消えかけの火のように、気が滅入ったり、疲れを感じると言われています。

④ バスティー(腸内=浣腸浄化)

バスティー浄化法は、大腸の右腸骨窩から仙骨上端までの部分である結腸・膀胱・下腹部を中心とした浄化です。

伝統的な方法は細い竹を浣腸し、ストロー役のように水を吸引していたそうですが、現在は浣腸チューブなどを使い、ハーブのオイルや薬草の煎液、薄めたコーヒー、ミルクなど個々の体質に合わせて注入し、体内(腸内)に直接働きかけて浄化をします。

<注意>
バスティーを行うときは、必ず専門家の指導の元で行ないましょう。

効果

・胃腸のガス抜き
・便秘解消
・アンチエイジング

⑤ トラタカー(目)

トラタカとはサンスクリット語の「凝視する」が語源となり、まばたきせずに一点を凝視しつづける方法のクリヤー法です。
トラタカは視覚を使って集中する瞑想の一種です。

やり方

キャンドルなどを準備し、楽な姿勢で一点を集中して見つめます。
一般的に、ローソクの炎を使いますが、手もとにない場合は黒い点、仏像などを対象としている方が多いようです。

効果

・ 心を鎮める効果のある瞑想法
・ 対象から対象へと移る目の動きと共に動いてきたマインドを止める効果
・ 視力を改善する
・ 記憶力や判断力を高める

[トラタカのやり方]
ドリシュティとは?ドリシュティはヨガ上達へのヒント!

⑥ ダウティ ー(内部)

ダウティの浄化法は全身を浄化するとされている上級者向けクレンジング法です。
胃腸の洗浄効果だけでなく、プラーナの流れやバランスを整える効果があると言われています。
ヨガ特有の浄化方法としてあげられますが、すべての方に当てはまるものではないため、あくまでも上級者向け方法の参考にとどめておくことをおすすめします。
もしダウティーに挑戦する際には、必ず医師、専門家の監視、指導の元で行ないましょう

(1) アンタール・ダウティ(内部消化器系)の浄化法3つ
❶ ヴァットサラ(Vatsara)もしくはプラーヴィニ
喉頭蓋は閉じ(kaki mudraを使います)圧力をかけて空気のひとかたまりを、胃の中に送り込んでいきます。これを数回ほど行い、胃の中を空気でいっぱいにします。その空気はやがて大腸を通して、ガスとなり外に排出されます。

❷ ヴァリサラ(Varisara)
VARIは”水”を意味し、SARA は”エッセンス”を意味し、口から肛門までを洗う作業です。
大量の水を飲み、全てを流し洗うという浄化法。
別の名を「シャンクハプラクシャラーナ(shankhaprakshalana)、消化管全体の洗浄とも呼ばれます。

❸ アグニ・サーラもしくはヴァハニサラ(Vahnisara Dhauti)
息を肺空っぽになるまで吐き切り、(息を止め)ジャランダラバンダ、ウディヤナバンダを使って腹筋の出し入れの連続を急速な勢いで行います。ナウリクリヤーの動きに似ています。

(2)フリッド・ダウティ(喉、胸)の浄化法3つ
“hrid”は胸が語源となります。
このフリッド・ダウティの浄化は、喉から胸に当たる所の浄化を意味します。
❶ ダンダ・ダウティ(Danda)
ダンダは幹を意味します。つまり食道と胃のクレンジングです。現在はゴム状のチューブを使用して浄化を行いますが、以前はターメリックの幹やバナナの茎を使用しています。胃に入れた塩水をチューブを使って出して行く方法です。

❷ バストラ・ダウティ(Vastra) 
目の細かいガーゼを塩の入ったぬるま湯につけます。
布を湯の中からしぼり出し、少しづつ最後まで飲み込んでいきます。
そのまま胃の中に2分間ほど保ち、そしてゆっくりと、引き出していきます。
終わった後は、のどを滑らかにするために、コップ一杯のミルクを飲みます。

❸ヴァマンダウティ(Vaman) 
塩を加えたぬるま湯を、コップ8杯ほど飲みます。ウディヤナ・バンダを行った後に腹部を、両手で押します。その後指をのどの後ろに入れて、水を吐き戻していきます。

(3)ダーンタ・ダウティ(歯)の浄化法
インドの薬木“ニーム”、もしくは竹を使って不浄な物質を歯茎の細孔から取り出すように、歯茎のマッサージを実行します。

クリヤを行う際は、確かな知識と専門家の元で安全に行いましょう。

ヨガには大きく6つの浄化法があります。
① カパラバティ(Kapalbhati)
② ネティ(Neti)
③ ナウリ(Nauli)
④ バスティ(Basti)
⑤ トラタック/トラタカ(Trataka)
⑥ ダウティ(Dhauti)

簡単に始められるジャラネティやトラタカもあれば、専門家の監視・指導の元で行う必要がある上級者向けのダウティもあります。
どのクリヤーも、身体洗浄効果だけでなく、プラーナの流れやバランスを整える効果が期待できます。
まずは一人でも始められる浄化法を試し、もし難しい浄化法に挑戦する際は専門家の指導を仰いでみてはいかがでしょうか。

 

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この記事の著者
SUN REI

監修者

SUN REI

日本のみならず10年間の海外留学でグローバルにヨガを経験する。ラジオやAppのヨガモデルなどヨガに関する様々な経験を経てヨガインストラクター、海外のヨガスクール「It’s Yoga Satellite」Ricardo講師のアシスタントと日本と海外の掛け橋役オーガナイザーとして活動するヨガの専門家。長期に渡る海外在住で培った経験をもとに海外のヨガに関する情報を発信している。
reiyoga.weebly.com

[保有資格]
・アシュタンガ指導者認定証取得 IYCインターナショナルヨガセンター
・100hr RocketYoga 指導者認定書取得「It’s Yoga Satellite」
・200hr RYS ashtanga vinyasa base 「It’s Yoga Satellite」


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日本のみならず10年間の海外留学でグローバルにヨガを経験する。ラジオやAppのヨガモデルなどヨガに関する様々な経験を経てヨガインストラクター、海外のヨガスクール「It’s Yoga Satellite」Ricardo講師のアシスタントと日本と海外の掛け橋役オーガナイザーとして活動するヨガの専門家。長期に渡る海外在住で培った経験をもとに海外のヨガに関する情報を発信している。
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