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アシュタンガヨガのエンディングシークエンスポーズのやり方とその効果は?

ヨガのブリッジポーズをする女性

2019年06月03日更新

アシュタンガヨガとは?

アシュタンガヨガは、およそ2500年前に、ヨガの聖者パタンジャリによって編纂されたヨガの経典「ヨーガ・スートラ」の中で説かれる、悟りに至るアシュタンガ(八支則)の教えに沿ったヨガの流派です。
この教えは、ヨガのポーズ(アーサナ)だけではなく、「八支則」の行いを日々の生活の中で鍛錬し、至福の状態「サマーディ」へと到達することを最終目標としています。

後に、インドの故シュリ・K・パタビ・ジョイス師により、身体的ポーズ(アーサナ)の練習を通して、 心理や精神などの人間の潜在能力を効果的に伸ばす「アシュタンガ・ヨガ・ビンヤサ」が考案されました。この「アシュタンガ・ヨガ・ビンヤサ」が、一般的なヨガスタジオで現在行われている「アシュタンガヨガ」です。

アシュタンガヴィンヤサヨガには、「エンディングシークエンス」という一連の流れがあり、最後まで、呼吸と動きを連動させながら決まったアーサナ(ポーズ)を行っていきます。
呼吸と動きを連動させて最後までポーズを行うことで、エネルギーの流れを開くことに繋がり、浄化効果、精神と肉体をコネクトさせることができるとされています。

[参考記事]
アシュタンガヨガとは?ハタヨガとの違いや基本ルールを知ろう!

エンディングシークエンスとは?

エンディングシークエンスは、「仕上げの連続ポーズ」とも言われます。
アシュタンガヴィンヤサヨガを練習される方は、必ず最後に決まったこの15ポーズの順番で終わります。
エンディングシークエンスのアーサナは実習全体のクライマックスとなります。
プライマリーシリーズの場合”体内の毒素を促すシリーズ”であり、エンディングシークエンスをする事でそれらの毒素を火で燃やす働きに繋がると言われます。
炎は上に立ち上がるので、最終的に身体のあらゆる部分、消化器、心臓、肺、直腸、肛門を清め、浄化の効果が期待できます。

エンディングシークエンスには、肩立ちや頭立ちのポーズが含まれますので、初めての方、怪我など身体に違和感がある場合は、個人ではなく指導者のもと練習することをおすすめします。
通常、ヨガを楽しまれている方であれば、ヴィンヤサヨガなどで経験したポーズがあると思います。


http://www.ashtangabaires.com.ar/informacion/primera-serieより抜粋

エンディングシークエンスの15ポーズの順番

(1) サランバ・サルバンガーサナ(Salamba Sarvandasana)
(2) ハラーサナ(Halasana)
(3) カルナピーダーサナ(arnaPidasana)
(4) ウールドヴァ・パドマーサナ(Urdhva Padmasana)
(5) ピンダーサナ(Pindasana)
(6) マツヤーサナ(Matsyasana)
(7) ウッターナパーダーサナ(Uttana Padasana)
(8) シールシャーサナ(Shirshasana)
(9) ハーフベンド(Urdhva Dandasana)
(10) バラーサナ(Balasana)
(11) バッタ・パドマーサナ(Baddha Padmasana)
(12) ヨガムードラ(yoga mudra)
(13) パドマーサナ(Padmasana)
(14) ウト・プルティ(Utplutih)
(15) シャバアーサナ(Savasana)

肩立ちポーズの連続(1)〜(5)

エンディングシークエンス(1)〜(5)までは肩立ちのポーズが連続します。
(ポーズに入ったら8〜10呼吸しましょう)

肩立ちのポーズの効果

エンディングシークエンスの中でも、この逆転のポーズは効果が非常に高いことで知られています。
肩立ちのポーズは顎を首の付け根に押し付けることで首に圧がかかります。
これにより内分泌系の主要な松果体(間脳の上面にある器官)、脳下垂体、甲状腺体血液が甲状腺と副甲状腺ホルモンを刺激することになります。
肩立ちのポーズから解放された瞬間、新しい血液が循環されるので、血圧・心拍数が落ち着く効果があります。
同時に嬉しい効果として、刺激された甲状腺と副甲状腺ホルモンの働きにより、脂肪分解を促進してくれるともいわれています。

下腹の血流が良好に!

普段、私たちは重力下で生きています。
内臓も同じように重力下に存在します。逆転することによって、内臓は重力に逆らうため、普段重力で押しつぶされがちだった下腹の内臓の間に、すき間が出来、血液の循環が良くなることで、内臓の働き・代謝がスムーズになります。

椎間板に栄養
元々背骨の間には椎間板があり背骨をしなやかに保っていますが、ここには血管が通っておらず椎間板に栄養が行きづらいので、運動不足の場合つぶれやすいと言われています。
逆転になることで、背骨と背骨のすき間が広くなり、椎間板の圧が和らぎ、外から栄養が入りやすくなります。
それにより背骨の健康を保つ効果が期待できます。

肩立ちのポーズのポイントとコツ

(1) サランバ・サルバンガーサナ
バンダの力をコントロールしながら脚、お尻、背中を垂直に上げ、体重を肩で支えます。
目線は鼻先(ナサグライ)

(2) ハラーサナ
バンダをキープしつつ、つま先を伸ばしながら脚を頭の後ろの床につけていきます。背中の後ろで手を組みます。
脱力やリラックスのポースではないので、脚はすぐ動かせる状態に保てる太腿の強さをキープします。
目線はナサグライ

(3) カルナピーダーサナ
膝を曲げながら膝で耳をカバーします。床に近付けられる方は付けます。つま先同士は付けます。
この時ムーラバンダ(肛門)はゆるめてウディヤーナバンダ(下腹部の締め)はアクティブ状態です。
恥骨と胸骨の間を伸ばす意識です。
目線はナサグライ

(4) ウールドヴァ・パドマーサナ
一度サランバ・サルバンガーサナになり、姿勢を整えてから右足左足と順に蓮華座になっていきます。
手は膝の上、手と膝をお尻の高さにし、横からみたら身体が「コ」のような形になります。
肘を伸ばすと同時に手と膝を押し合い、脚の付け根を天上に引き上げるようにします。そうすると背骨の底からスーッと真っ直ぐ背筋が伸びてます。ムーラバンダはアクティブです。(蓮華座が難しい、膝に違和感を感じる方は、折りたたむだけにしましょう)
初めての場合はバランスを保ちにくいポーズです。
手を背中でサポートしながら膝を折りたたみ、そこで膝をお尻の高さにし、横からみたら身体が「コ」のような形になります。
目線はナサグライ

(5) ピンダーサナ
蓮華座のままゆっくり膝を頭の両脇に近づけます。腕を太腿に回し脚を包むようにします。手同士がつかめる方は掴みましょう。
同じようにバランスが難しいポーズです。難しい場合は無理をせず、手を背中に置きバランスのサポートをしましょう。
目線はナサグライ。
*ここまでが1~5までの肩立のポーズです。
呼吸後は焦らず、両腕をもう一度背中の後ろに伸ばし手をマットに付けます。
頭は床につけたまま、お腹を使って床にシールを貼るように背骨1つ1つ床に付けていきます。(蓮華座のまま)

カウンターポーズの連続(6)(7)

(1)〜(5)まで喉にロック(締め)を掛けていたので、バランスの調節としてカウンターポーズが入ります。
頭頂部を床に置き、喉を開くことで、咽頭から胃まで続く食物の通路となる筋肉の管を刺激、同時に首、コアの強化に繋がります。
(ポーズに入ったら8〜10呼吸しましょう)

(6) マツヤーサナ(魚のポーズ)
(5)に続き蓮華座のまま肘を床に付け背中をマットから持ち上げ頭のてっぺんを床に置きます。
恥骨を前にむけ、下腹部を伸ばしながら胸を開き、喉を開きます。
両手で足を掴み、膝は床に下ろすアクションを加えます。
目線は第3の目です。
膝に違和感を感じる場合は蓮華座を解いで足を真っ直ぐに揃えましょう。

(7) ウッターナパーダーサナ
頭、胸はそのまま、蓮華座の脚を解いて床に付けないまま脚を真っ直ぐ斜め45°に伸ばします。
腕を伸ばして手を足指方向に向けます。
目線は第三の目です。
8~10呼吸後、ゆっくり肘を床、足を床に下ろし、肘で床を押しながら頭も解放しましょう。
ここで1度ヴィンヤーサを入れましょう。

ヘッドスタンドの連続(8)(9)

ここでは(1)〜(5)で行った肩立ちのポーズ効果に加え、更に大脳辺縁系の機能が整えられるとされ、集中力アップ、思考がクリアの効果が期待できるポーズです。脳が健康であると若さもキープできる効果があると言われます。
※(8)に続き、(9)のヘッドスタンドの未経験の方は指導者の元で行いましょう。
※ヘッドスタンドは頭に血が逆流しますので、高血圧や緑内障の方には向いていません。

(8) シールシャーサナ(ポーズに入ったら15呼吸、慣れてきたら25呼吸以上できるように少しずつ伸ばしていきます)
頭頂を床に、組んだ手の平を後頭部に置き、肘で床を押しながらダウンドッグのうように腰を引き上げます。
バンダを引き上げ、脚を天上に吸い上げます。
決して全体重を頭にのせないこと。肘で床を押し、バンダは使い続けることで頭に軽さが感じられます。

(9) ハーフベンド
バンダを使い続けながら脚をお尻の高さまで下ろします。
※ヘッドスタンド未経験の方は指導者の元で練習しましょう。

(10) バラーサナ(子供のポーズ)
ヘッドスタンドの後は血流の流れを落ち着かせるために、全身脱力し休憩します。

最後は水を清めるロータスフラワー3連続

ロータスフラワーは穏やかな瞑想と内面の安定を象徴しています。(ポーズに入ったら10呼吸しましょう)

(11) バッタ・パドマーサナ
ロータス(蓮華座)を取る理由として、 エネルギーが内側に戻ってくるといわれます。エネルギーは手の平、足裏から外に流れるとされますが、バッタ・パドマーサナでは手足が繋がるので、まだエネルギーを循環することが出来ると考えられます。その結果深い浄化への刺激を促します。
右足から蓮華座を組みましょう。
左腕を背中に回し、左爪先をつかみます。その後右腕を背中に回して右足爪先をつかみます。
腹部を引き締め背筋を伸ばします。

(12) ヨガムードラ
手足が繋がったまま、顎を床につけるように上半身を前屈します。
お尻が浮きやすいポーズです。
座骨が浮かないように腹部を引っ込め胸骨を前に伸ばします。

(13) パドマーサナ
パドマーサナは精神を静めるので、メディテーションをされる方におすすめです。
肘を伸ばし両手の親指と人差し指をくっつけ、残りの指は真っ直ぐ伸ばします。
手の甲は膝に置いて肘を真っ直ぐ伸ばし、どっしりお尻に座ります。お腹を締め背筋を伸ばします。
顎を胸骨に引くようにし、目線は鼻先です。

(14) ウト・プルティ
最後に筋肉を緊張させ、シャバアーサナの質を高める準備ともいえるポーズです。同時に腕と胴体強化の期待ができます。
お尻のサイドに両手をしっかり床につけます。
膝を胸に引き上げ、更に手で床を押し、お尻も床から持ち上げます。呼吸が止まらないようにスムーズな呼吸をが取れるようにしましょう。

(15) シャバアーサナ
最後に今までエネルギーをフロウさせていたのを全て手放し、リラックスします。
15分〜30分取れることが望ましいです。

まとめ

アシュタンガヴィンヤサヨガを経験された方は、必ずエンディングシークエンス(仕上げの連続ポーズ)をとります。
最後のエンディングシークエンスを”する”のと”しない”とでは、動いた後の爽快感が全く違います。
エンディングシークエンスは身体の毒を燃やす過程なので、最も重要な15ポーズで構成されます。
動いた後の身体の歪みを調整、さらにシャバアーサナをより快適にとれるでしょう。
上質なシャバアーサナほど起きた時、新しい自分に出会えるように感じます。
アシュタンガヴィンヤサヨガのエンディングシークエンスを大切にしていきましょう!

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[参考記事]
ワンランク上のヨガポーズ「ブジャピンダーサナ」の習得テクニック
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この記事の著者
SUN REI

監修者

SUN REI

日本のみならず10年間の海外留学でグローバルにヨガを経験する。ラジオやAppのヨガモデルなどヨガに関する様々な経験を経てヨガインストラクター、海外のヨガスクール「It’s Yoga Satellite」Ricardo講師のアシスタントと日本と海外の掛け橋役オーガナイザーとして活動するヨガの専門家。長期に渡る海外在住で培った経験をもとに海外のヨガに関する情報を発信している。
reiyoga.weebly.com

[保有資格]
・アシュタンガ指導者認定証取得 IYCインターナショナルヨガセンター
・100hr RocketYoga 指導者認定書取得「It’s Yoga Satellite」
・200hr RYS ashtanga vinyasa base 「It’s Yoga Satellite」


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SUN REI

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日本のみならず10年間の海外留学でグローバルにヨガを経験する。ラジオやAppのヨガモデルなどヨガに関する様々な経験を経てヨガインストラクター、海外のヨガスクール「It’s Yoga Satellite」Ricardo講師のアシスタントと日本と海外の掛け橋役オーガナイザーとして活動するヨガの専門家。長期に渡る海外在住で培った経験をもとに海外のヨガに関する情報を発信している。
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・アシュタンガ指導者認定証取得 IYCインターナショナルヨガセンター
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・200hr RYS ashtanga vinyasa base 「It’s Yoga Satellite」


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